時にはクライアントの要望次第では、独自のクリエイティブシンキングを横に置き、ニーズに応える必要もあります。
これがアートとデザインの最も異なる箇所であると僕は考えます。しかし、クライアントの要望・意見をなんでも笑顔でOKしてしまうのはプロのクリエイターとしては問題ありだとも、同時に考えています。
クライアントはデザインの専門知識を持たない人が(当然ながら)大半です。
で、あるならば
「これはこういう理由なので良くない。」「この場合はこうした方が最適であると考えられます。」
といった具合に、論理的な提案の仕方はクリエイターには必須のスキルだと僕は考えています。
当然ながら気を付けなければいけないのは、この時に自分自身の好みを押し付けないこと。創作を生業にする者にとってやるべきことは「クライアントの要求を満たして差し上げる事」そして「その課題をクリアするために自分がこれまでに積み上げてきた経験や知識を出し惜しみなく発揮する事。」そして「両者が幸福感を味わう事」です。
しかし困ったことに、是が非でも自分の言った通りにそのまま作ってくれ!と、クリエイターを自分の手足のように使いたがるクライアントも確かに存在します。
現在進行形でそんな苦労を強いられている方もおられるでしょう。
「危険信号が点滅しているクライアントとは仕事はしない」
これに徹するのがベストなのですが、この危険信号をキャッチ出来るようになるまではそれなりの経験が必要です。僕ももちろん経験してきました。これはもうクリエイターであれば誰もが一度は受ける洗礼みたいなものだと思います。
危険信号が初めからキャッチ出来て入ればよいのですが、プロジェクトの中盤あたりから「なんだか様子が変だな」だと気づきはじめることもあります。
そんな時僕は、物理的に不可能な要求だったり、非人道的な事柄でも起こらない限りは「成長へのチャンスを手に入れた」と無理矢理にでも自分に言い聞かせて、自らのレベルアップに励みます。
ちなみにそんな日の夜は確実に高熱が出ます。笑
追伸
いつもいつもクライアントの無茶な要望(特に値下げ交渉)に応じて薄利多売な仕事をしているクリエイターは、その行為が自分以外の全てのクリエイターに迷惑をかけていると自覚する必要があります。