独立を考えた時に一番に頭に浮かんだのが「あれもやります。これもやります。」っていうのは結局これといって「得意」がない、どこにでもいるフリーのグラフィックデザイナーじゃないか…それじゃ生き残れないだろう。
…と僕は考えました。
今思えば、周りのフリーのグラフィックデザイナーの方達にかなり失礼な話で、この場を持って謝罪致します。
でも、独立前はやっぱり何かに「特化」していくことはとても重要だと感じていたんです。
独立にむけて背中を押してくれた何冊かの本にも、やはり「特化」することの大切さがたくさん書かれていた事。
そして、かの有名なホリエモンこと堀江貴文氏がYOUTUBEの番組で「普通のデザイン事務所じゃ生き残れない」と言っていたことが、僕の中で潜在的に根強く印象に残っていたのも事実。
なによりも「インテリアデザイン」「WEBデザイン」「ファッションデザイン」そのどれもが専門的な知識と技術が必要な、特殊なジャンルだと認知されているもかかわらず、それに匹敵する様々なスキルや知識を必要とする「ロゴデザイン」がグラフィックデザインというカテゴリーの中にまとめられている異常さに違和感を感じてなりませんでした。
2012年くらいだったかな?
肩書きを「ロゴデザイナー」にしたときも「そんな肩書きはない。聞いたことがない」と無知な連中にネットで叩かれた事もあります。
しかし、海外では「ロゴデザイナー」はすでに確立された存在で、それ専門の学校もあるくらいです。
いろいろ叩かれたりもしましたが「日本に一人くらいいてもいいんじゃないの?」くらいの「ノリ」と「意地」みたいなものが前進に加速をかけてくれて、今日までロゴデザイナーとして生きてこれています。
気がつくと今、「ロゴデザイナー」という言葉は日本でもわりと浸透してきてて仲間も増えてきて、「あぁやっぱり間違いじゃなかったかもなー」と、ふとニヤけてしまいます。
今時代は二足、三足のわらじを履く「複業」が注目されていますが、なにか1つのジャンルに「特化」し、インプットとアウトプットを繰り返し続け、その道の「プロフェッショナル」になることのほうがカッコよくないですか?
なにが間違っててなにが正しいのか?
その境界線は「人それぞれの価値観」というもっともらしい「殺し文句」で片付けられてしまいがちですが、僕は自分の中の「正しい」と「悪い/間違っている」という気持ちには正直に生きていたいと考えています。